経験を積むほど、見えてくるもの
- 2026.08.10
- ブログ
どんな仕事でも、続けていると最初は見えなかったものが少しずつ見えてきます。
退去立会の仕事も同じです。
私も始めたばかりの頃は、お部屋に入ると壁紙や床の傷など、目に入りやすいところばかりを見ていました。
「ここはクロスを張り替えよう。」
「ここは補修が必要だな。」
当時は、それで十分確認できていると思っていたんです。
先輩と一緒に現場を回るようになり、少しずつ経験を積むと、自分が見ているのはほんの一部だったことに気付きました。
設備は実際に動かしてみる。
建具は開け閉めしてみる。
収納の中まで確認する。
目で見ただけでは分からないことが、思っていた以上にたくさんあります。
さらに、毎月行っている現調部ミーティングでは、現場で見つかった不具合や見落とし事例をみんなで共有しています。
「この設備はここが壊れやすい。」
「このメーカーなら、この部分も確認した方がいい。」
そんな話を聞くたびに、自分の中の確認するポイントが一つずつ増えていきました。
経験を重ねると、自分なりの”確認のテンプレート”のようなものもできてきます。
この部屋なら最初にここを見よう。
この設備ならここを確認しよう。
以前は一つひとつ考えながら見ていたことが、自然と体が動くようになります。
それは経験を積んだ証だと思います。
でも、そのテンプレートがあるからこそ気を付けなければならないこともあります。
慣れてくると、いつもの確認だけで終わらせてしまい、それ以外のところを見る時間が少なくなったり、思わぬ見落としにつながったりすることがあるからです。
だから私は今でも、「今日は初めてこの部屋を見る」という気持ちで現場に入るようにしています。
同じ間取りのお部屋でも、設備は違いますし、住まわれていた方の使い方も違います。同じ現場は一つもありません。
退去立会は、傷や汚れを探す仕事ではありません。
次に住まわれる方が気持ちよく新生活を始められるように、お部屋の状態をしっかり確認し、必要な工事につなげていく仕事です。
そのためには、経験も必要ですし、先輩から教わることも欠かせません。そして何より、「慣れたから大丈夫」と思わず、一件一件のお部屋と丁寧に向き合い続けることが大切だと思っています。
経験を積むほど見えてくるのは、傷や不具合だけではありません。
仕事の奥深さや、自分にまだ足りないこと、そして一つひとつの確認を積み重ねることの大切さです。
それが、この仕事を続けてきて私が一番実感していることです。