大建ブログ blog

毛利元就に学ぶ、人を思う心

戦国時代の智将・毛利元就には、人との関わり方を物語る興味深い逸話があります。
元就は家臣や有力国人だけでなく、地下人と呼ばれる身分の低い人々にまで心を配り、誰にでも気軽に声をかけて親しく接したといいます。

彼のもとを訪れる者が旬の花や自家製の野菜、川魚や鳥などを土産に持ってくると、元就はすぐに対面の場を設け、必ず餅や酒のどちらかを機嫌よく振る舞いました。
その場で土産を料理させ、相手に酒が飲めるかどうかを尋ねるのです。
もし「酒をいただきます」と答えれば、「寒い中で川を渡るような行軍での酒の効能は言うまでもないが、普段でも酒ほど気晴らしになるものはない」と語りながら杯を差し出しました。
逆に「酒は苦手です」と言われれば、「実は私も下戸でね。酒を飲むと人は気が短くなり、あることないこと口走ってしまう。酒ほど悪いものはない。さあ、餅を食べてくれ」と気さくに振る舞ったと伝えられています。
身分の上下を問わず、相手に合わせた気遣いを忘れなかったのです。

私たちの仕事もまた、多くの人に支えられて成り立っています。
管理会社様、入居者様、職人の皆様——立場や役割は異なりますが、誰に対しても同じように心を配り、相手に合った言葉や行動をとることが大切だと感じます。

現場では時に想定外のことが起き、追加の対応が必要になることもあります。
そんな時こそ「どう声をかけるか」「どんな配慮を示すか」で信頼関係は大きく変わります。
小さな気遣いが相手に安心を与え、やがては強い信頼へとつながっていくのです。

毛利元就が誰にでも同じ温かさで接したように、私たちも一つひとつの現場で誠実な対応を積み重ねていきたいと思います。
その姿勢こそが強い絆を生み、未来への大きな力になるのではないでしょうか。

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